災害に備える
日頃の備え
高齢者
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肢体の不自由な方に配慮する
車椅子での階段での移動は、必ず2人以上で援助する。上がる時は前向きに、下がる時は後ろ向きにして恐怖感を与えないように注意する。脱出や避難の時で2人以上の救援者がいない場合は、紐で結んで背負うなどして要救援者の両手の自由をきくようにして臨機応変に対処する。
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健康障害が生じやすい状態に注意する
ダメージを受けたときに回復できる力、環境や外敵からのストレスへの抵抗力の低下に注意する。
- 1体重減少
- 2疲れやすい
- 3身体活動量の低下
- 4歩行速度低下
- 5筋力低下
障がい者
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視覚障害の方のための日頃からの備え
視覚障害の方や自分だけでの避難が困難な方を想定した備えを日頃からしておく。
- 慣れた道の点字ブロックや誘導設備が損壊した場合に備えて、事前に複数経路を確認する。被災時は家族や周囲の人の誘導もお願いする。
- テレビ、電話、ラジオ、インターネットなどの手段が使えない時に備えて、地域の方に事前に様子を見に来てもらうように協力をお願いする。被災時は視覚障害があることを告げて周囲の人に状況を聞く。
- 笛、防犯用ブザーなど、家屋に閉じ込められた時に外にいる人に知らせて助けを求める方法を準備しておく。
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コミュニケーションが円滑に取れない人のための日頃からの備え
コミュニケーションが円滑に取れず、要望が伝えられない人(聴覚障害の方、知的障害の方、児童、外国人等)への対応策として事前に、言語カード、緊急連絡カード、支援内容を記載したヘルプカードなどを作成し、必要な事柄を整理して日頃から備えておく。
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健康状態に配慮が必要な人、心身障がい者への手助け
- 安全な場所への移動
- 身の回り(飲食・衛生)の基本的ニーズの確保
- 健康状態の把握と必要な医療サービスの確保
- 支援が必要な人への付き添いと利用可能な支援へのアクセス情報の提供
子ども
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母子の避難で注意する
妊娠中・後期の妊婦は、お腹で見えにくい小さな段差等に注意する。必ず誰かと一緒に避難する。
子どもの手をしっかり握って一緒に行動する。手をつなぐことで子どもの安全の確保、不安の緩和につながる。また、子ども用リュック、パーソナルカードを用意し、必ず靴を履かせる。 -
子どもたちのために言うべきこと、すべきこと
子どもたちには困難に対処する力があり、前向きに取組める環境を整えれば、自分で状況に対応して自信にも繋がっていく。
- 大切な人と一緒にいるようにする
- 安全を確保する
- 聴き、話し、遊ぶ
外国人
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多言語での災害情報の伝達
災害時、外国人は自分の言語で情報提供を受けられないため、交通機関の情報等を把握することができない。日本語と英語に限らない言語での災害情報の伝達にも配慮する。
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外国人に配慮する
「ストップ」「ゴー」などの言葉、指さし、身振りで安全な場所へ誘導し、安全確保したうえで対話する。
外国人で持病、障害などの可能性にも配慮して、対話が可能になったら持病の対応など生命維持に必要な情報を確認する。
企業
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一斉帰宅の抑制
災害発生後、救助・救急、消火、緊急輸送等の応急活動を迅速・円滑に行う必要がある。帰宅困難者の発生による混乱を防止するために、「むやみに移動しない」という基本原則を徹底する。
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帰宅困難者の受入れ
帰宅困難者が一斉に帰宅することによる混乱・危険を避けるために、企業でも従業員・学生・顧客の安全確保に努め、一時受入れ場所を提供するため、普段から3日分程度の物資備蓄、必要な場所確保、人的支援計画などを準備しておく。
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帰宅困難者一時受入れ場所の運営
企業が一時受入れ場所を提供する際には、帰宅困難者自身も積極的に飲料水、食料、毛布等の物資配給や誘導等の応急対策活動に参加して地域の救援活動を支援できるようにする。