災害に備える
避難所
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避難所での防犯対策
避難所内での盗難、性犯罪、住宅リフォーム詐欺、偽ボランティアなどの犯罪事例は多数。
- 避難所への人の出入りの管理体制を準備
- 「貴重品は必ず身につける」「信頼ある業者以外とは商談しない」など心構えを醸成。学習会の開催も効果的
- 定期的に複数の管理者などで見回り。防犯体制の整備をアピール(のぞきなど性犯罪対策)
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避難所でのルールとマナー
避難所運営や避難所生活では、ルールを守ることが重要。避難者同士の助け合い・協力が不可欠で、要配慮者への心配りも必要。避難所により、ルールは異なるので注意する。ほかの人の居住スペースへの立ち入り・のぞき、周りに迷惑な大声での会話、決められた場所以外での喫煙等、マナー違反にも配慮する。
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プライバシー確保への注意
避難所では間仕切り板等でプライバシーを確保する。防犯の面からも、外部からの出入りや他人の立ち入りを制限する。要介護者や女性には特に配慮する。
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睡眠時の消灯に配慮する
普段は気にならない就寝時間などの生活スタイルの違いは、突然の共同生活となる避難所ではストレスの原因となることがある。
不慣れなことも多い避難生活では、睡眠不足になって体調を崩してしまうことも。明るいと眠れない人、暗いと眠れない人もいるので、日替わりで消灯するなどの配慮を行う。 -
避難生活での女性ケアの視点
後片付け、子育て等による家族の世話のための疲弊や、被災後に義父母と一時同居する中での「嫁役割」の心的負担等、災害時には平時には気づかない社会のジェンダーに基づく不平等が明らかに。
また、パートやアルバイト先から一方的に解雇されるなど、不安定な女性の雇用形態も見えてくる。このような不平等が増大されないような対応や、女性の弱い立場を意識した支援が重要。 -
土足に配慮する
普段は室内では靴を脱ぐのが一般的だが、災害後の避難所は、不特定多数が出入りする特殊な環境となるので、混乱の中、土足で居住スペースを歩き回る人が出てくることもある。
避難所でも、安心できる衛生環境づくりのために、生活エリアから十分に離れたところに、「土足禁止ライン」を明示する。家では当たり前のことも、話し合いでルール化する。 -
避難所での寒さ対策
災害時は停電で冷暖房設備が使えない。また、自宅から毛布や衣類、暖房器具などを持ち込んでも、電気容量の問題や火災の危険性もあることから使用できない器具もある。
- 1床にマットや畳を敷く(段ボールでも効果あり)
- 2隙間風にガムテープ活用で建物の機密性を確保
- 3施設内の通気性を考慮し、間仕切りを撤去する
- 4備蓄している毛布やストーブ等を活用
- 5冬山用の断熱マットや保温性の高いシートを活用
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避難所での生活環境に配慮する
避難所の環境は、朝・昼・晩の時間や避難所にいる人々の生活リズム、ペットの有無等で常に変化している。生活環境の指標として、温度、湿度、光、臭い、音量、振動、空気のきれいさ等に配慮する。
避難所では、耳栓やアイマスクで安眠環境の確保、防塵マスクや消臭・衛生用品で清潔で心地よい生活環境の確保等に努める。 -
女性への物資供給に配慮する
避難所での生理用品や下着等の女性用品の供給では、女性の担当者からの配布、女性専用スペースや女性トイレでの常備等、配布方法に配慮する。
また、避難所は、緊急物資の集積場所になり、在宅避難者が必要な物資を受け取りに来る場所としての役割もあるため、避難者のほか、避難所に避難していない被災者や指定避難所以外に避難している被災者に対しても、女性用品、乳幼児用品等の物資の提供を行うようにする。 -
避難所での私物管理
避難所での共同生活では、地域が違う人も一緒になると誰かお互いわからない状況になることも。印鑑・通帳・カード類等の家から持ち出してきた貴重品の保管場所を確保する必要がある。
部屋ごとに無人にならないように相互に見張って不審者が入ってこないようにする。可能であれば監視カメラのついた貴重品ロッカーを設置する。 -
避難所での暑さ対策
- 1避難所の日中は高温になるため、温度計・湿度計で室内状況を定期的に測定
- 2早い時期(5月)からエアコンを設置。建物の構造上エアコンの設置が難しい場合は、仮設休憩所として隣接する部屋等にエアコンを設置
- 3扇風機、網戸、氷柱の設置、避難所建物周辺に打ち水を行う等の涼しさ対策
- 4輻射熱を防ぐための遮熱・断熱塗料の塗装、遮光フィルム・カーテンの設置
- 5冷却ジェルシート、飲料の配布
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避難所での物資の配給
物資を受け取るときは、われ先にと焦らず、落ち着いて自分の順番を待つ。
列に並べない要配慮者への思いやりと、手助けが必要かの声掛けも意識する。物資状況により、少ない食料や物資を複数人で分け合うこともある。