日頃から、国や自治体のハザードマップにより、避難所・避難場所や、地すべり・がけ崩れ・土石流等の土砂災害や洪水・浸水・高潮等の水害の危険性のある場所を確認しておく。
大雨・台風時の行動例
早期注意情報(警戒レベル1)
災害発生の危険性はまだ低い段階
ハザードマップで避難所や地域の危険な場所を知る
身近な避難場所を知っておく
自宅だけでなく、会社で仕事中、商店街にいる時など、よくいる場所の近くの避難場所と安全なルートを確認しておく。
家族で事前に決めておくこと
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連絡方法
電話やメール以外にも複数の方法を決める。 災害用伝言ダイヤル、災害用伝言板、SNSなどのほか、家の中のメモ書きや、避難所での伝言方法など、複数の連絡手段を家族で確認しておく。 -
集合場所
家族がばらばらにならないように、全員が待ち合わせの場所(避難場所)を確認して、連絡手段を複数持つ。避難所の伝言板で家族を探すため、家族の顔写真を用意しておく。 -
非常持ち出し品の置き場所
いつでも持ち出せるように、置き場所を決める。
常時携行する災害用品
外出中の災害に備え、必要最小限の防災グッズを用意してバッグ・鞄に入れる。携帯電話、予備バッテリー、LEDライト、非常時の連絡先、健康保険証等の身分証明書(コピー可)。普段使いのマスク、ティッシュ、ハンカチ、筆記用具等は有用。女性は生理用品等も。
食料品の日常備蓄
日頃利用している食料品や生活必需品を少し多めに購入して、使いながら備蓄するローリングストック法に取組む。賞味期限の確認もしておく。
常温保存ができる野菜、保存食にもなる乾燥野菜、家庭菜園等も役立つ。
非常用に役立つキッチングッズ
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カセットコンロ・ボンベ
ライフライン復旧前でも暖かい食事を -
キッチンばさみ・ピーラー
まな板なしで調理可能 -
ポリ袋
袋の中での調理は衛生的。手袋にも -
ラップ
お皿にまけば食器洗浄の水節約に -
クーラーボックス
保冷剤を入れて冷蔵庫に -
キッチンペーパー
食器をふき取って洗い物を楽に -
アルミホイル
フライパンを汚さずに調理可能に -
水筒・保温タンブラー
余った湯の保存に
貴重品の備え
災害時に身元が確認できる、運転免許証、障害者手帳、健康保険証、母子健康手帳等、身分証は常に携帯。普段は非常持ち出し品と別に保管。保管場所は家族で共有し、いざという時、家族の誰もがすぐに持ち出せるようにする。
災害時の証書類の焼失に備え、銀行・保険・印鑑や家の証書は、口座番号や印鑑の種類等のリストを紙に作成し携帯。
常備薬・お薬手帳の備え
常備薬やお薬手帳を普段から準備しておく。東日本大震災では、被災者が、薬の服用履歴や既往症、アレルギーなどの、医療関係者に必要な情報を収録した「お薬手帳」を携行していたことで、常用薬や病気の情報が正確に伝わり、早期に適切な治療に結びついた。被災地の限られた環境での効率的な治療に役立つ。
高齢者の災害用品
- 常備薬・お薬手帳、必要な補助器具(補聴器他)、おむつ・着替え、入れ歯・洗浄剤
- 古い眼鏡を捨てずに再利用して用意する老眼鏡
- 下着を汚して替えがない時に役立つ尿漏れパッド
- コンパクトで持ち運びやすく、疲れた時に座れる折りたたみ椅子
女性の災害用品
- 生理用品、鏡・ブラシ、清浄綿、化粧品。
- 膀胱炎になりやすいので携帯トイレ
- 個人で使えるビデの口先
- 被災地での洗濯干しの際に男性の目が気にならないカップインタンクトップ
- 毎日着替えができない時、同じ服を隠せる割烹着
- 着替えの際にちょっとした目隠しになり落ち着く自転車用ポンチョ
妊産婦・幼児の災害用品
- 母子健康手帳、健康保険証、お薬手帳、妊産婦は診察券(常に携帯。大切なページはクラウドに)
- 洗浄綿、オムツ・お尻ふき(身体をふく時も有用)
- 授乳用ケープ、ミルクセット(日ごろの授乳方法に合わせ準備)
- スプーン・紙コップ・キッチン用ラップ(コップで少しずつ飲ませる方法も)
- ガーゼ(歯の汚れ落とし、顔を拭う、乳児のお世話等、多用途)
- 抱っこ紐(避難時または避難所で両手が使えて便利 )
- 非常食・離乳食(母乳やミルクでも代用可。大人の食事を取り分けてもOK。市販の離乳食を備えておくと安心)
- ビタミン剤(災害時はビタミン類が不足し、口内炎になりがち。粉末青汁やサプリメントの備えも推奨)
- 着替え・靴・防寒具(抱っこして避難する際、歩けるようになった子どもには靴を)
子どものための備え
幼児の備えとして、食事は栄養面を考えて、市販の非常食や離乳食を用意しておけば安心。また、ビタミンが不足すると口内炎になりやすいので、野菜ジュースや、飲みやすい粉末またはサプリメントのビタミン剤も用意。歩けるようになった子どものために、靴や着替え、防寒具は必須。避難する際の抱っこひももあれば歩きやすくなる。
心のケアとしての災害用品
ぎすぎすしがちな避難生活を和ませる工夫も必要。一緒に避難生活をしているお互いを気遣い配慮しあう。
タバコ、化粧品等の嗜好品や、コロン、エッセンシャルオイルでの匂い対策、おもちゃやお菓子を楽しむ等、なるべく普段の生活に近い環境を確保することが効果的。
避難行動要支援者の避難支援
高齢者、障がいのある人、乳幼児、外国人などの特に配慮の必要な人を要配慮者といい、そのうち災害時に避難行動に特に支援を必要とする人を避難行動要支援者という。
市町村は避難の支援、安否の確認などを実施するために避難行動要支援者名簿を作成している。また、避難行動要支援者ごとに誰が支援するか、どこに避難するか、どのような配慮が必要かなどあらかじめ記載した個別避難計画の作成に努めることとなっている。
災害発生時には、支援する人たちが名簿や計画を活用して安否確認や避難支援を実施する。
日頃から仲良くして要配慮者を把握
災害時には近隣の住民同士の協力が必要。日頃からあいさつを交わして、ご近所との付き合いの輪を広げておく。
また、要配慮者(高齢者や障がいのある人、乳幼児、妊婦、外国人など)は情報把握、避難などが迅速にできない可能性も。こうした人々が近所にいるかを日頃から把握して、いざという時は民生委員などと協力して要配慮者を支援する。
ペットの健康管理
避難時には、病気のペットに注意。1匹からでも病気感染のリスクがある。
飼い主は、普段の狂犬病予防注射やワクチン等は必須。未接種の場合、避難所への入所を拒まれる可能性もある。
- ノミやダニ予防・寄生虫駆除
- フィラリア等の予防接種
- 狂犬病ワクチン接種
- マイクロチップの装着
ペットの最低限必要な災害用品
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【数日分の食料と水(最低3日分)】
食べ慣れているフード、飲料水、フードボウル -
【医療道具】
常備薬、健康管理ノート、包帯、止血剤、ワクチン接種状況 -
【飼育用品】
ペットシーツ、タオル、キャリー・クレート、トイレ用品、洗濯ネット(猫の逃走防止) -
【首輪】
首輪・リード、鑑札、マイクロチップ
迷子になった場合の対策
災害時に、動物と離れ離れになった場合、飼い主が判別しやすくなる、首輪等に所有者を明示する情報が必要。
-
【離れ離れの対策】
マイクロチップ、鑑札、迷子札 -
【迷子になった時の情報発信】
ペットの特徴の分かる飼主と一緒の写真、迷子ポスター -
【ペットの特徴把握】
全身・尻尾・手術痕、首輪の色
ペットのあると便利な災害用品
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【ペットのケアグッズ】
ブラッシング用のブラシ、ドライシャンプー、爪切り、おやつ、おもちゃ、避難用具 -
【ゴミ袋や新聞紙】
ゴミ袋、新聞紙、タオル、段ボール -
【カッターやガムテープ】
カッター、ガムテープ、ビニール紐、ゴム袋、ビニール袋 -
【ペットの写真】
名前や特徴入りのチラシ、飼い主さんと写った写真
大雨・洪水・高潮注意報(警戒レベル2)
災害発生に対する注意が高まってきた段階
SNSを活用した情報発信・収集
SNSは、マスメディア情報の中継機能、被災地内から被災地外への情報発信や被災地外での情報共有、復旧期における被害情報の発信に役立つこともあるが、デマ等による誤解が発生することもあるので注意する。
屋内での風水害対策
- 停電時の懐中電灯・ラジオの準備
- 避難時の非常持ち出し袋の準備
- テレビ等で風水害・台風情報を把握
- 外出を控える
- 断水時の飲料水等を確保
- 浸水に備えて家財道具、食料品・衣類・寝具等の生活用品を高い場所に
- 高齢者、障がいのある人、乳幼児、妊産婦などを優先して安全な場所に
非常持ち出し袋の備え
避難する際の物資を納めた非常用持ち出し袋は、自分にとって必要な物を考えて準備する。それらをリュックなどに入れ、玄関の近くや寝室、車の中、物置などに配置して、家の倒壊も想定して備える。
避難先を検討する
知人宅やホテル/旅館などの宿泊施設も検討しておく。
避難経路を選ぶ
- 1川・崖崩れ、建物の倒壊、転倒・落下物等による危険がなく、幅員が広いこと。特に観光客等の多数の避難者が見込まれる地域では幅員を十分考慮。
- 2橋梁のある道路を通行する場合、耐震性が確保されている。
- 3防潮堤や胸壁等の避難障害物を回避する対策(例えば階段等の設置)が図られている。
- 4海岸、河川沿いの道路は原則として避難路としない。
- 5避難途中での津波の来襲に備え、避難路に面して避難ビルが設置されている。
- 6家屋の倒壊、火災の発生、橋梁等の落下物の事態にも対応でき、近隣に迂回路を確保できる道路を避難路に指定。
- 7夜間の避難に備え、照明設備等が設置済み。
土砂災害への備え
事前に近くの危険箇所を確認しておき、指定されている避難場所や連絡方法について、普段から家族で話し合い避難経路も確認しておく。ハザードマップや避難場所の地図、非常用持ち出し袋を用意し、危険を感じたら活動しやすい服装に着替えて、いつでも避難できるようにしておく。
大雨・洪水警報 高齢者等避難(警戒レベル3)
避難に時間を要する人(高齢者・障がいのある人、乳幼児等)とその支援者は避難しましょう。
高齢者等避難(警戒レベル3)は、高齢者や障がいのある人が危険な場所から避難するタイミングです。また、高齢者等以外の人も危険を感じたら自主的に避難する必要があります。
避難する際の行動例は、避難指示(警戒レベル4)を御覧ください。
土砂災害警戒情報 氾濫警戒情報(警戒レベル4)
危険な場所(洪水・土砂災害の恐れのある所)から全員避難しましょう。
警戒レベルと行動
- 警戒レベル3は、避難に時間を要する高齢者や障がいのある方などが、危険な場所から避難する。
- 警戒レベル4は、危険な場所にいる人は全員が避難する。
- 警戒レベル5は、既に災害が発生又は切迫した状況になっているので、この段階の前に避難しておく。
水害の最新情報入手
雨量・河川水位等の水害に係る最新情報を、気象庁や自治体等の公的機関のテレビ・ラジオ・ウェブ・防災アプリ・メール・防災行政無線・広報車発信等の様々な情報源から取得して、避難準備・避難開始を早期に判断する。
日頃から予め公表されている浸水危険個所を把握しておき、安全を確保しながら避難する。
集中豪雨に注意する
梅雨前線等が停滞して大気が不安定な状況が続くと、積乱雲や雷の発生などの前兆の後、集中豪雨があっという間に発生するおそれがある。
避難時の服装
避難する時の服装に配慮する。
- 1火が付きやすい化学繊維の服はさける
- 2長袖・長ズボン、軍手を着用して肌露出を避ける
- 3はきなれた厚底の靴を使用
- 4ヘルメット、帽子、上着で頭をおおう
- 5マスクや濡れタオルを装備して防塵する
避難時は近隣で助け合う
避難時は近隣に声をかけて集団で協力して避難する。 高齢者、子ども、障がいのある人などは早めに避難する。避難するときは動きやすい服装で、2人以上での行動を心がける。
玄関には伝言を貼り出さない
家族と連絡がとれないときに、家族への伝言や避難場所を玄関の外側に貼り出してはいけない。留守宅を宣言してしまうと空き巣に入られてしまう。
メモ書きは必ず玄関トビラの内側の、目立つ場所に貼る。
冠水した道路を歩く
避難場所への移動は浸水が始まる前に行うことが基本だが、冠水した道路を歩く場合は、水深が浅くてもふたの外れたマンホールや側溝などが見えなくなることに注意する。
避難指示が発令されたり、発令前でも危険を予測したら、ためらわず避難を始める。
夜間の避難で注意する
明るく広い道を通行する。
夜間の避難は、見通しが悪いため、転倒や側溝への転落等に注意して、夜間の停電時は、懐中電灯で目視確認を行いながら足元に注意して避難する。
既に浸水して危険な時は
すでに浸水が始まり移動するのに危険な状況になってしまった場合は、自宅や近所のビルなど堅牢な建物の2階以上に避難する。
水害時に自動車では避難しない
地形や条件によっては30分程度で一気に1~2メートルの浸水になることもあるため、冠水前でも自動車では避難しない。自動車が水に浸かると動かなくなり、水圧で扉が開かなることもあり危険。
車内まで浸水したら
冠水し車内まで浸水した場合は、車両を止め、慌てずにエンジンを停止させ速やかに車外に出る。扉が開かない場合は窓から出る。
ペットと一緒に避難する
- 普段から確認しておいたペットと一緒に避難できる避難所に向けて移動する。
- 犬はリードを付け首輪の緩みを確認し、ねこは洗濯ネットに入れてケージに入れて避難する。ケージはガムテープなどで縦横補強する。
- ペットが興奮していると、普段とは違いかまれて怪我をすることもあるので気を付ける。
- 避難するときは見知らぬ動物に近づかず、不用意に手を出さない。
- ペットが瓦礫などで怪我をしないように足元に注意する。
避難所でのペットの世話
避難所生活では、吠えてうるさい、咬まれた、毛が飛んで不衛生などが原因でトラブルになることも。ペットを連れて避難する場合、飼い主は、ペット受け入れ可能な避難所を確認するとともに、吠え声や排泄物の処理など近所の方への気配りを忘れない。
動物もストレス下にあるため、むやみに吠える、周りの人を怖がり攻撃的になる、食欲がなくなる、排泄をしない、下痢をするなどの問題が出てくることも。エコノミー症候群や熱中症等の体調管理に気を配り、不安を取り除くよう心がける。
土砂災害に注意する
山間地では土砂崩れに注意して速やかに斜面や崖から離れる。余震や降雨でより危険が高まる。避難時は、持ち物を最小限にし、両手を自由にしておく。
事前に近くの危険箇所を確認しておき、指定されている避難場所や連絡方法について、普段から家族で話し合い避難経路も確認しておく。ハザードマップや避難場所の地図、非常用持ち出し袋を用意し、危険を感じたら活動しやすい服装に着替えて、いつでも避難できるようにしておく。
土砂災害リスクのチェックポイント
地表の土砂や岩が長雨、大雨で崩れ落ちる土砂災害の危険がある場所。
- 1割れ目が多い
- 2張り出している
- 3勾配が30度以上ある
- 4浮石(不安定な石)が多い
- 5湧水がある
- 6雨水が集まりやすい
がけ崩れの前兆現象
斜面の地表に近い部分が、雨水の浸透や地震等でゆるみ、突然、崩れ落ちる現象。崩れ落ちるまでの時間がごく短いため、人家の近くでは逃げ遅れも発生し、人命を奪うことが多い。
- 1地鳴りがする
- 2がけから水が湧き出る
- 3湧き水が止まる・濁る
- 4がけにひび割れができる
- 5小石がパラパラと落ちてくる
地すべりの前兆現象
斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する現象。土塊の移動量が大きいため甚大な被害が発生。
- 1地鳴り・山鳴りがする
- 2井戸や河川の沢の水が濁る
- 3亀裂や段差が発生
- 4地面がひび割れ・陥没
- 5樹木が傾く
- 6がけや斜面から水が噴き出す
土石流の前兆現象
山腹や川底の石、土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象です。時速20~40kmという速度で一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させる。
- 1山鳴りがする
- 2立木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえる
- 3急に川の水が濁り、流木が混ざり始める
- 4腐った土の匂いがする
- 5降雨が続くのに川の水位が下がる
大雨特別警報 氾濫発生情報 緊急安全確保(警戒レベル5)
既に命が危険な状況。直ちに安全確保をしてください。
水害時の自宅内避難
家の周りが水につかっている、夜で道が暗いなどのときは、外に避難することが逆に危険につながることも。
家の2階以上や、崖と反対側の部屋など、家の中で少しでも安全な場所に避難する方法もある。
避難が困難な時の土砂災害対策
土砂災害の危険がありながら避難が困難な場合は、鉄筋コンクリート造りなどの頑丈な建物の2階以上で、斜面から離れた位置にある部屋に緊急避難する。
災害が過ぎるまで待機する
外出先で風水害に直面した場合は、災害が過ぎるまで施設内で災害が過ぎるまで待機する。暴風による飛来物の危険があるので、外には出ずに窓からは離れておく。